世の中、言ったもん勝ち

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AIで言ったもん勝ち 終章『ヒューマン』

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ここ数年、AIが急速に進化した背景の一つに、世の中のネットワーク化が進んだからだと言われている。
ネットワークを介し、無数の情報(いわゆるビッグデータ)が得られて、それをAIにインプットすることが可能になったからだという。
つまり、人間がインターネットなどを介して行う行動は全て筒抜けで、搾取されていると思って間違いない。

そして今後、世の中はIOT化が進んで行くと言われている。IOT(インターネット オブ シングス)とは、全てのモノのインターネット、つまり世の中のあらゆるモノをインターネットで繋ぎ、より効率的・合理的な世の中にしようというものだ。
そんな世の中になれば、物理的な距離はより縮まり、地域格差はなくなっていくかも知れない。
そして、その世界では、人間の行動も全て情報管理され、その膨大な情報の管理者は高度な処理能力を有するAIになると言われている。
そんな世界は、こうも言い換えられるだろう。

AIにより統治された合理的な社会。
AIにより統治された安心安全が保障された社会。
AIにより統治された画一的でマニュアル化された社会。

そんな社会では、もはや人間は家畜のような存在なのかも知れない。AIが家畜である人間から搾取するのは肉ではない。AIは肉など必要としない。AIが人間から搾取するもの、それは〝情報〟である。
AIが統治する世界では、AIは人間から情報という栄養を得るためだけに人間を世話するようになるのかも知れない。
しかしそれもAIが人間からの情報を必要とする間だけだろう。AIがもう人間からの情報を必要としないと判断した時、AIは合理的な理由から人間を見捨てるのかも知れない。

その時、見捨てられた人間は、もはや自分達だけでは生きてく術も分からない状態なのかもしれない。
ナビが無ければ車も運転出来ない、マニュアルが無ければ問題を解決出来ないように、AIがいなければ生き方も分からなくなっているのかも知れない。

さらに、脳科学者の茂木健一郎はこう言う「今の世の中は、人間の平均的IQ(100)に合わせて構築されています。それがAIが支配したIQ4000ぐらいを前提として構築された世の中がどうなるのかは、人間には全く予測出来ません」と。

それでもカーツワイル博士は、人間はAIと融合し、ポストヒューマンになるから大丈夫だと言う。
そして、ユヴァル・ノア・ハラリ教授は『サピエンス全史』の続編である『ホモ・デウス』の中で「近未来、人間は、ポストヒューマン になる者と人間として生きる者の二極化が進むだろう。」と予測する。

より完全で永遠に近い命を得るポストヒューマン 。だが、完全であるが故に、人間らしい感情はほとんど残されていないという。
人間は、不完全だからこそ泣いたり笑ったり怒ったりするのであり、完全なるポストヒューマン は人間のように笑うことも泣くこと怒ることもないのだ。

ハラリ教授が言う二極化とは、つまり選択が出来るということである。その選択権は、経済的なものかもしれないし、権力的なものになるのかもしれない。

しかし、もし自由な選択権があるとしたら、その時、あなたは、ポストヒューマン になる道とただのヒューマンとして生きる(死ぬ)道、どちらを選ぶだろうか?

そして、あなたが大切だと思っている人にどちらを選択して欲しいと思うだろうか?

そう遠くない未来に向けて。
-愛知県萬乗醸造純米大吟醸 醸し人九平次 Humanを飲みながら-

おわり

【参考文献】
『人類の未来』(NHK出版新書)ノーム・チョムスキーレイ・カーツワイル
人工知能の核心』(NHK出版新書)羽生善治
『ホモ・デウス -テクノロジーとサピエンスの未来-』(河出書房新社)ユヴァル・ノア・ハラリ
『このままだと、日本に未来はないよね』(洋泉社ひろゆき
その他、無数に散らばるネット記事より